-鍵盤の調整-
鍵盤
新品購入後1年もすると、鍵盤の列が乱れてきます。これは何も不良品なわけではありません。完成後一、二年の内に狂いが生じてくるのは、木製品の宿命です。鍵盤同士が隣と干渉するなど、機能に問題が無いならば、放っておいても構わないでしょう。しかし、直した方が断然気持ちいいです。一度直してしまえば、後はそう狂うことは無いはずです。思い切って直してしまいましょう。
【手順】
全てのジャックを引き抜きます。ジャックは後で同じ場所に差し戻すので、連番をふってある必要があります。
無ければ書いて下さい。ネームボードバテンを外すと、鍵盤はケースごと引き出せます。作業はこの状態でします。
修正するのは、傾き、高さ、鍵盤同士の隙間です。
傾きを直すには、バランスピンに木片をあて、左右方向から軽いハンマーで叩きます。鍵盤は刺したままです。
高さ調整は、キーを抜き、バランスピンのフェルトのパンチングの下に紙のパンチングを入れる、もしくは除いて行います。
紙のパンチングは、ズッカーマンのキットなら有り余るほど付いてきます。無くても、自分でハサミで切り出せば良いだけです。
鍵盤の隙間調整は、少し厄介です。エンドピンを僅かに左右に曲げることで調整しますが、ここをいじると、たいがいキーの動きが悪くなります。
その時は、ピンその物をサンドペーパーで削ります。エンドピンの断面は元々縦長の楕円形です。そこをさらに細長くなるように磨きます。
また、鉛筆で擦って潤滑させます。油を注したり、シリコンスプレーをかけたりは厳禁です。木が膨張して余計に動きが悪くなります。
|