-プレクトラ-

プレクトラ

 プレクトラは消耗品です。同質のものを沢山用意しておきましょう。ヴォイシングはタンにプレクトラムを差し込んだ状態で行います。プレクトラムの抜き差しは裏側から行います。最初に長さを決め、次に先の角度を付け、最後に側面です。大事なことは、一回で決めようとしないことです。様子を見ながら少しずつ削ります。多少切り過ぎてもタンの裏から押し込むことで修正できます。ヴォイシングの要領は色々とありますが、要は隣のジャックを参考に同じ形に削れば良いわけです。留意しなければならいのはスタガリングです。一般にスタガリングはジャックの長さで調整するものと思われていますが、実はヴォイシングに頼るところが大きいです。硬く短いプレクトラムと長く柔らかいプレクトラムではジャックの長さが同じでも撥弦のタイミングが違ってきます。特に一度はスタガリングを調整した楽器ならば、その再調整はヴォイシングで行うと思った方良いです。

 プレクトラム

 ヴォイシングブロックは必需品です。市販品というものは無いですから、自作するより他無いでしょう。自作といっても1×1cm位の角棒の片側の肩を落として、やすりで仕上げるだけです。木は硬質なもの。形に決まりは無いですが、必要な条件を満たそうとすれば自ずと似たようなものになるでしょう。条件とは、1、ジャックを逆さにプレクトラムの上面を当て、両側からナイフが届く。2、ダンパーフェルトに干渉しない。

 使用するナイフは一般的なデザインナイフは適しません。刃がもっと鋭角でないと切りたい場所に届きません。使えるナイフは、私の知る限り米国製のX-ACTOかOlfaのアートナイフプロだけです。